腰痛
現代社会では、多くの人が腰痛に悩まされています。生涯で腰痛を経験する人は60〜80%に上るとされており、非常に身近な健康問題と言えます。
腰痛の原因について
腰痛は、日本人の多くが経験する一般的な症状で、姿勢や筋力の問題、加齢、病気、ストレスなど、さまざまな要因で起こります。腰痛は主に、原因がはっきりしない「非特異的腰痛」と、病気やケガによる「特異的腰痛」の2種類に分けられます。
姿勢や生活習慣が原因の腰痛(非特異的腰痛:85%)
・長時間座ることで猫背や前かがみの姿勢が続くと、腰に負担がかかります。
・骨盤が後ろに傾くと腰椎が丸まり、椎間板に圧力がかかり、痛みが起こりやすくなります。
・体幹(インナーマッスル)が弱いと腰への負荷が増え、特に腹筋・背筋・お尻の筋肉(大臀筋)が弱いと腰が不安定になり、痛みが出やすくなります。
・腰を丸めたまま荷物を持つと腰椎や椎間板に大きな負荷がかかり、繰り返すことでぎっくり腰(急性腰痛)の原因になります。
・頭が前に出る姿勢では、首や背中の筋肉が引っ張られ、腰への負担が増加します。
・寒さや長時間同じ姿勢でいると筋肉が硬くなり、痛みを感じやすくなります。
・精神的ストレスが溜まると無意識に筋肉が緊張し、腰痛を引き起こすことがあります(心因性腰痛)。
病気やケガが原因の腰痛(特異的腰痛:15%)
腰椎椎間板ヘルニア
・腰の神経が圧迫され、腰や脚に痛みやしびれが出ます。
・座っていると痛みが強くなるのが特徴です。
脊柱管狭窄症
・脊柱管(神経の通り道)が狭くなり、足のしびれや歩行困難が起こります。
・前かがみになると楽になり、後ろに反ると痛みが強くなります。
ぎっくり腰(急性腰痛症)
・重いものを持ち上げたり急な動作で、筋肉や靭帯が損傷して起こります。
・突然激しい痛みで動けなくなることがありますが、数日〜数週間で回復することが多いです。
坐骨神経痛
・腰から脚にかけてしびれや痛みが走ります。
・椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が原因で起こることが多いです。
骨粗しょう症
・加齢によって骨が弱くなり、腰椎の圧迫骨折を引き起こす場合があります。
・特に閉経後の女性に多く見られます。
内臓の病気(腎臓・婦人科系の疾患)
・腎結石、尿路感染症、子宮内膜症などで腰痛が起こることがあります。
・安静にしても痛みが続く場合は、病院での検査が必要です。
腰痛の原因は人それぞれ異なります。そのため、原因を正しく特定し、適切な治療や予防策を行うことが大切です。
腰痛の症状について
腰痛の症状は、痛みの性質や部位、動作による悪化の有無によって異なります。大きく分けると、急に起こる腰痛(ぎっくり腰など)と、長期間続く慢性腰痛の2種類があり、場合によっては足のしびれや歩行の困難を伴うこともあります。
主な症状
腰の痛み(鈍痛・鋭い痛み・ズキズキする痛み)
・腰全体に重だるさや鈍い痛みが続く場合があります(慢性腰痛でよく見られる症状)。
・突然、鋭く強い痛みが腰に走ります(ぎっくり腰など急性腰痛の特徴)。
・ズキズキとした痛みがあり、筋肉や関節の炎症が関係している場合もあります。
動作によって痛みが増す
・前かがみの姿勢で痛みが強くなります(腰椎椎間板ヘルニアなど)。
・背中を反らすと痛むことがあります(脊柱管狭窄症など)。
・長時間座っていると痛みが出やすいです(デスクワークや運転による負担)。
起床時のこわばり・痛み
・朝起きたときに腰がこわばり痛みを感じるが、動かすと症状がやや和らぎます(筋肉の緊張によるもの)。
安静にしていても痛む(内臓疾患の可能性)
・安静時でも痛みが続く場合は、腎臓や婦人科の疾患が関係している可能性があります。
腰以外の部位に症状が広がる
・お尻や太もも、ふくらはぎにしびれが出ます(坐骨神経痛の場合)。
・片足にしびれや感覚異常が現れる場合があります(腰椎椎間板ヘルニアが原因のことが多い)。
・歩くと足が重だるくなり、長く歩けなくなります(脊柱管狭窄症の典型)。
腰痛の種類ごとの特徴
急性腰痛(ぎっくり腰など)
・突然激しい痛みが腰に走り、動くことが難しくなります。
・腰の筋肉が硬直し、まっすぐ立つのが困難になります。
・多くの場合、数日から数週間で改善することが多いです。
慢性腰痛(3カ月以上続く腰痛)
・徐々に続く鈍い痛みや腰の重だるさがあります。
・長時間座っていると症状が強くなります。
・朝起きたときに腰がこわばることがあります。
神経症状を伴う腰痛(しびれ・歩行困難)
・腰痛に加えて、足のしびれや感覚異常が見られる場合があります。
・歩くと足がだるくなり、少し休むと症状が軽くなります(間欠性跛行)。
内臓の病気による腰痛(要注意!)
・安静にしていても腰のズキズキとした痛みが続きます。
・発熱や血尿、下腹部痛を伴うことがあります。
これらの症状が見られた場合は、早めの対応が重要です。腰痛を放置すると悪化することがあるため、適切に対処することが求められます。
日常生活では休養やストレッチ、姿勢の改善などに注意することで、ある程度の症状改善が期待できます。さらに、症状が強く長引く場合は、専門医に相談することが大切です。
当院では、お客様一人ひとりの症状に対応した適切な施術やアドバイスを提供致します。
専門的なアプローチを通じて、腰痛のお悩みを解決へと導くお手伝いができれば幸いです。どうぞお気軽にご相談ください。