膝の痛み
膝の痛みは、多くの人が一度は経験する身近な症状で、その原因となる病気や状態はさまざまです。重要なのは、痛みの原因を正しく理解し、適切な対処や治療を行うことです。
ここでは、膝の痛みの原因と、それに伴う症状の特徴について詳しく解説します。
膝の痛みの原因について
膝の痛みは、加齢や生活習慣、スポーツの影響など、さまざまな要因によって生じます。膝は体重を支える重要な関節であるため、負荷がかかりやすく、痛みを感じやすい部位のひとつです。
ここからは、膝の痛みの主な原因について解説します。
加齢による軟骨のすり減り(変形性膝関節症)
・年齢とともに膝の軟骨がすり減り、関節のクッション機能が低下する
・膝が腫れた感じがしたり、動きが固く感じられる
・階段の昇降や立ち上がるときに痛みを感じる
スポーツや運動による膝への負担
・ランニングやジャンプを繰り返すことで、膝の軟骨や靭帯に大きな負荷がかかる
・急な方向転換や衝撃によって靭帯が損傷することがある(例:前十字靭帯損傷)
・膝蓋骨(膝のお皿)の周囲に炎症が生じる場合がある(ジャンパー膝など)
体重の増加(膝への過剰な負担)
・体重が増えると膝関節にかかる負荷も大きくなる
・特に歩行や階段の上り下りで痛みを感じやすい
・体重1kg増加で膝には3〜5kgの負荷がかかるとされる
筋力の低下
・太ももの前面(大腿四頭筋)やお尻の筋力が低下すると、膝の関節が安定しなくなる
・運動不足によって筋力が衰えると、膝にかかる負担が大きくなる
・特に高齢者では、筋力の低下が原因で膝の痛みが生じやすい
関節や靭帯の炎症
半月板損傷
・膝のクッション役である半月板が損傷し、痛みや引っかかりを感じる
・スポーツや加齢によって起こることが多い
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
・ジャンプ動作の多いスポーツ(例:バスケ・バレーなど)で膝の腱に炎症が生じる
関節リウマチ
・免疫の異常によって関節に炎症が生じ、膝が腫れたり痛んだりする
・朝方に関節のこわばりが強く現れるのが特徴
姿勢や歩き方の問題
・O脚やX脚の人は、膝にかかる負荷が大きくなりやすい
・内股やがに股など歩き方のクセで膝の痛みが生じることがある
このように、膝の痛みは加齢やスポーツ、体重増加、筋力低下、炎症、姿勢など、さまざまな要因によって引き起こされます。放置すると症状が悪化する場合があるため、早めの対策が重要です。
膝の痛みの症状について
膝の痛みは、痛みの性質や出る場所、動作による変化によって原因が異なります。軽い違和感から歩行が困難になるほどの強い痛みまで幅があり、放置すると症状が悪化することもあります。
ここからは、膝の痛みの症状について詳しく説明します。
動作による痛みの違い
・歩行時に痛みがある場合は、変形性膝関節症や半月板損傷の可能性が考えられる
・階段の上り下りで特に痛みを感じる場合は、膝の軟骨の摩耗が原因かもしれない
・座っているときは痛みがなくても、立ち上がると痛むことがある
・階段を降りるときに痛みが強い場合は、膝蓋腱炎(ジャンパー膝)や半月板損傷の可能性がある
・正座やしゃがむと痛む場合は、変形性膝関節症や関節炎(リウマチなど)の疑いがある
痛みの種類
・ズキズキする痛みや腫れ・熱感を伴う場合は、関節炎やリウマチの可能性がある
・運動中や転倒時に「バキッ」と音がした場合は、靭帯や半月板の損傷が考えられ、鋭い痛みを伴う
・鈍く重だるい痛みは、加齢や筋力低下による変形性膝関節症の初期症状であることが多い
・電気が走るような痛みは、膝の神経が圧迫されている場合があり、腰の影響が関係することもある
膝の腫れや熱感
・膝が腫れて熱を帯びている
・膝に水がたまっている場合は、変形性膝関節症の可能性がある
膝の引っかかりや違和感
・変形性膝関節症では軟骨のすり減りにより、「ゴリゴリ」「ギシギシ」と音がすることがある
・半月板損傷では、膝が途中で曲がらず止まる「ロッキング」が起こる
膝が伸ばせない・曲げられない
・膝を完全に伸ばすと痛む場合は、靭帯や半月板の損傷の可能性がある
・正座や深く膝を曲げると痛む場合は、軟骨の摩耗(変形性膝関節症)や関節炎が疑われる
当院では、お客様一人ひとりの症状に対応した適切な施術やアドバイスを提供致します。専門的なアプローチを通じて、膝の痛みのお悩みを解決へと導くお手伝いができれば幸いです。どうぞお気軽にご相談ください。