不妊・生理痛・PMS
不妊や生理痛、PMS(月経前症候群)は、それぞれ異なる背景を持っていますが、ホルモンの変動、ライフスタイルの乱れ、精神的なストレスなどが深く関係していると考えられています。
不妊・生理痛・PMSの原因について
ここでは、不妊・生理痛・PMSが起こる主な原因について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
不妊の原因
不妊とは、子どもを望んで1年以上妊娠に至らない状態のことを言います。
・卵胞の発育が不十分だったり、排卵そのものが起こらないといった排卵機能の異常
・卵管が閉塞したり、通り道が狭くなることによる通過障害
・受精しても子宮内膜にうまく着床できない状態
・年齢が35歳を超えると卵子の質が低下し、妊娠の成立が難しくなる傾向がある
・精神的なストレスが影響し、体内のホルモン分泌が不安定になる
・極端な食事制限や偏った食生活、喫煙・アルコールの摂取などによる生活習慣の乱れが影響している
生理痛の原因
生理痛(いわゆる月経困難症)は、子宮の収縮によって引き起こされる痛みで、その程度や原因は人それぞれ異なります。
機能性月経困難症(病気によらないタイプ)
・ 生理中に分泌されるホルモン(プロスタグランジンなど)が多すぎて痛みを引き起こす
・ 体の冷えや血行不良によって子宮の働きが低下し、痛みが生じやすくなる
・心身のストレスや自律神経のバランスの崩れが月経痛を悪化させる
器質性月経困難症(病気が原因のタイプ)
・子宮内膜症:本来子宮の内側にあるはずの組織が他の場所で増殖し、痛みや癒着を起こす
・子宮筋腫:子宮にできる非がん性の腫瘍が圧迫や血流の変化を招き、痛みを伴う
・子宮腺筋症:子宮の筋層に内膜に似た組織が入り込むことで、子宮が硬くなり強い痛みを引き起こす
PMSの原因
PMS(月経前症候群)とは、生理の始まる数日前から心身にさまざまな不調が現れる状態を指します。イライラや頭痛、むくみ、胸の違和感、だるさなどが代表的な症状です。
・女性ホルモンの変化により心身に不調が現れやすくなる
・気分の安定に関わるセロトニンの分泌が低下することで、情緒が不安定になる
・血糖値の不安定さが、疲労感やイライラにつながることがある
・睡眠の質の低下やストレスの蓄積、生活リズムの乱れがPMSを悪化させる
不妊、生理痛、PMSの症状について
続いては、不妊・生理痛・PMSに見られる具体的な症状について解説していきます。
不妊の症状
不妊とは妊娠しにくい状態を指しますが、その背景にある体の不調や病気によって、次のような兆候が現れることがあります。
・生理の周期が乱れる、または数ヶ月以上生理が来ない状態
・経血の量が少なすぎるか、反対に多すぎて日常生活に支障が出る
・ 生理時の痛みが非常に強く、日常生活に影響を及ぼすことがある(特に子宮内膜症が疑われる場合)
・排卵期に下腹部に痛みを感じることがある
・おりものが極端に少ない、または異常な臭いや色が見られる
・性交渉の際に痛みが出る場合は、子宮や膣の疾患が関係していることがある
・体の末端が常に冷たく、むくみやすい状態が続いている
生理痛の症状
生理痛の強さは人によって異なり、軽く済む場合もあれば、日常生活に支障が出るほど激しい痛みになることもあります。
生理痛に伴う腹部の症状
・下腹部に鈍い痛みや圧迫感がある
・強い収縮を感じるような腹痛が起こる
・生理の時に腰のあたりが痛くなる
生理痛に伴う全身症状
・生理の時期に頭痛が起こりやすくなる
・気分が悪くなったり、実際に吐いてしまうことがある
・経血が多いと鉄分が不足し、ふらつきや立ちくらみが起きやすくなる
・手足が冷たくなったり、疲労感が強くなる
・ホルモンの影響で腸の動きが乱れ、便通に変化が出る
重度の生理痛がある場合の注意
次のような症状が見られるときは、子宮内膜症や子宮筋腫といった疾患が関係している可能性があります。
・痛みが以前よりも悪化し、年々つらくなっている
・鎮痛剤を飲んでも痛みが和らがない
・経血の量が異常に多く、大きな血の塊が出ることがある
・月経とは関係ない時期にも下腹部の痛みが続く
PMSの症状
PMSは生理の数日前から始まり、生理が始まると自然におさまるのが特徴です。症状の種類は多岐にわたりますが、特に見られやすいものは次のとおりです。
PMSにみられる精神的な症状
・怒りっぽくなる、ちょっとしたことでイライラする
・落ち込みやすくなり、気分が沈む
・不安感が強くなる
・集中力が続かず、注意力が散漫になる
・眠気が強くなる、または眠れない
・感情のコントロールが難しくなり、涙が出ることもある
PMSにみられる身体的な症状
・胸が張ったり、痛みを感じる
・下腹部が膨らんだように感じる、むくみが出る
・頭痛や片頭痛が現れる
・立ちくらみやふらつきが起きる
・手足がむくんだり、体重が増える
・肌が荒れやすくなり、ニキビができる
・胃の調子が悪くなる(胃もたれ、腹痛など)
PMSが重い場合(PMDD)
PMSの症状が非常に重く、生活に大きな影響を与えるような場合は、『月経前不快気分障害(PMDD)』と診断されることがあります。
・深い落ち込みや虚無感に襲われる
・怒りっぽくなり、対人関係にトラブルが生じる
・衝動的な行動をとることがある(無計画な買い物や過食など)
不妊・生理痛・PMS(月経前症候群)は、それぞれ異なる原因や症状を持ちます。自身の体調や状態に合った適切な治療法を見つけるためにも、早めに専門医に相談することが大切です。
当院では、お客様一人ひとりの症状に対応した適切な施術やアドバイスを提供致します。専門的なアプローチを通じて、あなたのお悩みを解決へと導くお手伝いができれば幸いです。どうぞお気軽にご相談ください。